広島訪問
2014年08月06日
■被爆者代表から要望を聞く会
7名の被爆者代表からの要望を聞く会がおこなわれました。
政府インターネットテレビではその一部だけしか見ることができなかったので、
被爆者の方々がどのような要望を話されたのかは分からないのですが、
報道によれば、集団的自衛権容認の閣議決定撤回などが要望されたようです。
この聞く会の最後に安倍首相が締めくくりの挨拶をしています。
大変短時間ではございましたが、こうして皆様からお話を伺うことができたこと、重ねてお礼を申し上げたいと思います。
その上で広島・長崎の悲劇を再び繰り返してはならない、との決意を新たにしたところでございます。ご要望をいただいた個別の項目につきましては、関係大臣から答弁を、お答えをさせていただいたところでございますが、私からも政府としての基本的な考え方について簡単にお話をさせていただきたいと思います。核兵器廃絶、そして非核三原則についてでございますが、岸田外務大臣からもお話をさせていただきましたが、唯一の戦争被爆国である我が国としては核兵器の惨禍が再び繰り返されることのないよう、非核三原則を堅持しつつ、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けた努力を続けていくことをお誓い申し上げます。
昨年は私自身、国連総会の核軍縮ハイレベル会合に出席をいたしました。核兵器廃絶に向けて国際社会の先頭に立つとの強い決意を表明いたしました。また包括的核実験禁止条約の早期発効に向けて、関係国の首脳にも条約の批准を直接働きかけるなど、現実的かつ実践的な核軍縮を進めております。これからも進めてまいります。被ばくから70年目の節目の年である来年は5年ぶりにNPT運用検討会議が開催されます。本年4月ここ広島で採択された「軍縮・不拡散イニシアティブ広島宣言」の具体化をはじめ、核軍縮・不拡散体制の維持強化に向けて国際社会の先頭に立って取り組んでまいります。また原爆症認定制度について、すでに厚生大臣からもお話をさせていただいておりますが、原爆症認定制度につきましては平成19年に総理大臣として初めて広島に参りました際、認定審査の見直しを指示をいたしました。平成20年には新しい審査方針が策定をされまして、認定基準は大幅に拡大をいたしました。また被爆者の代表の方にもご参加をいただき、3年に及ぶ精力的なご議論を経て、昨年末には5年ぶりに認定基準の大幅な見直しをおこないました。これによって心筋梗塞などの、いわゆる非ガン疾患の申請件数は見直し前の5倍と大幅に増加をしております。原爆症の認定制度の在り方については様々なご意見があることも承知をしておりますが、まずは新たに対象となる方々に1日も早く認定がなされるよう、取り組んでまいります。
さらに、被爆者の方々がご高齢となり、お体が不自由な方々も増えております。このため、この秋からご家庭を訪問して申請手続き等の相談・支援に応じる事業を開始をしていく考えでございます。また集団的自衛権について、外務大臣からもお答えをさせていただいたところでございますが、この閣議決定の目的はただ1つでありまして、我が国を巡る安全保障環境が厳しさを増していく中において、国民の命と平和な暮らしを守るためでございまして、平和国家としての歩みは不変でございますし、戦争をする国になるという考えも毛頭ないということもはっきりと申し上げておきたいと思います。
さきほど岸田大臣もお話をいたしましたように、新基準においては、国の存立が脅かされですね、そして国民の命を守ったり、あるいは幸福を追求する権利、そうした国民の諸権利が根底から覆される明白な危険があるときのみと、そして限定的にということがしっかりと記されているところでございまして、この意味について丁寧に国民の理解が得られるように努力を重ねていきたいと思います。また、坪井理事長からお話がございました、自然エネルギーにしっかりと力を入れろということでございますが、太陽光や風力あるいは地熱エネルギーなど、自然エネルギーの振興はですね、安倍内閣として大いに力を入れていきたいと考えています。また電力市場の自由化を進めておりまして、それに伴って自然エネルギーをですね、地産地消のエネルギー源の、自然エネルギーが地産地消のエネルギー源の活用を大いに進めていきたいと、こう考えております。
原発に対する坪井理事長のお考えも承ったところでございますが、あの福島の事故を踏まえまして、原発の再稼働についてはですね、科学的・技術的視点から、とにもかくにも安全が大前提でございまして、そして、その上で引き続き、原発については、安全性を大前提としてですね、政府から独立をいたしました、している原子力規制委員会が安全という認定をした中において、再稼働についてはですね、地元の方々のご理解も頂きながら、政府としては再稼働を考えていくわけでございますが、いずれにせよ、原発の依存度については可能な限り低減をさせていく考えでございますし、繰り返しになりますが、坪井さんがおっしゃったような自然エネルギー、再生可能エネルギーにはしっかり力を入れていく考えでございます。本日は皆様方からお話や思いを直接お伺いをする機会をいただきまして、被爆者の皆様が関心を持たれている問題についても実感することができたところでございますが、今後とも核廃絶に向けて努力を重ねていくと共に、被爆者の方々に対する援護施策を誠心誠意進めていくことをお約束を申し上げまして、結びとしての言葉とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
出典:政府インターネットテレビ(http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg10255.html)から私が文字起こし
(私の感想)
映像を見るとわかりますが、ほとんどずっと原稿を読んでいます。
次の会見でも結局質問には答えず、いつもの説明を繰り返すだけです。
安倍首相が広島へ行った意味は何なのかな?と思ったりしますが。。。
動画で見ると、一応どれほど安倍首相がこの会合などを重視していない(=どうでもいいと思っている)のかを表情や態度から読み取れるのかもしれないですね。
そういう意味はあったのかなぁ。
安倍首相の「話は聞きますが、あくまで聞くだけです。」という態度がよく分かる会ではあります。
■記者会見
その後の記者会見です。
テレビ新広島ワカキ氏
「集団的自衛権の行使容認についてお尋ねします。総理は憲法解釈の変更で行使を容認する閣議決定をされましたけれども、世論調査などを見ても、説明が不十分で国民の理解が未だ十分に得られていません。ここ被爆地広島においても被爆者や市民から、「なぜ今なのか?」という疑問の声が強くあります。より一層の説明が求められる中、総理は抑止力を強調されていますけれども、被爆地では抑止力に頼る安全保障の限界を指摘する声もあります。こうした状況を踏まえて集団的自衛権ではなくて、核兵器のない世界の実現に向けて、核の傘からの脱却も含めて、武力に頼らない安全保障の新たな仕組みづくりを日本がリードして進めるお考えはないのか、お聞かせください。」
政府の最も重要な任務は、国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくことであります。そしていかなる紛争もですね、力ではなく、国際法に基づき、外交努力によって解決していくべきであります。その考え方については、さきのシャングリラ会合で私は三原則として申し上げた通りでございます。就任以来、この視野の重要性を国際社会に対し繰り返し訴えてきたところでございますが、これがまず全ての大前提でありまして、その上で万が一への備えをしておくことはですね、最初に申し上げました、国民の命と平和な暮らしを、幸せな暮らしを守っていく責任のある私の使命であろうと思います。
我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しておりまして、もはやどの国も一国のみにおいて自国の平和を守ることが出来ない状況になっているのは事実でございます。もちろん理想的にはですね、国連の理想の元に、国連憲章が理想とした国連軍によってですね、これは、全ての問題が解決をされるという状況には残念ながら、この国連軍自体の実現の目処はたっていない、というのが現実でございまして、このような中で国民の命と平和な暮らしを守り抜く為にはあらゆる事態に対して切れ目のない対応を可能とする国内法を整備をして、万全の備えをしていく必要があります。こうした備えをすること自体が万が一の事態を防ぐ大きな力となるわけでありまして、それはいわゆる抑止力であります。抑止力というのは、これは、いわば、ある国に対して侵攻を考える上においてですね、そうすることがその国にとってですね、大きな、これは、災厄をもたらす結果になるということの中において、それを抑止すると、そうすることを抑止していくということになるわけでございますが、この抑止力によってですね、日本は戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなっていくと考えております。この抑止力につきましては、1960年、安保条約を改定した際にも議論がなされてきたところでございますが、まさにこの抑止力がしっかりと機能しているということは多くの国民の皆様にもご理解をいただけるのではないかと思います。
もとより、海外派兵は一般に許されないという従来からの原則はですね、全く変わらないわけでありますし、自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは決して無いわけであります。また今回の閣議決定が、例えば徴兵制につながるといった根拠の無い風評もありますが、徴兵制などもちろん全く考えておりませんし、これ憲法違反だということは国会で私は明言しているところでございます。平和国家としての歩みは今後も変わるわけではありません。むしろその歩みをさらに力強いものとするために今回の閣議決定をおこなったところであります。
司会者
「すみません、これで質問時間が残り1分をきりました」
次に産経新聞のカジノ氏が内閣改造などについて質問して終了しました。
出典:政府インターネットテレビ(http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg10255.html)から私が文字起こし
(私の感想)
さて、これがちゃんと記者の質問に答えていると思えるかどうか?
質問は「武力に頼らない安全保障の仕組みづくりを日本がリードして進める気はないのか?」
それに対して、聞かれてもいないことも含めていつもの回答。
私は質問には全く答えていないと思います。
そして質問に関係ないことを話して質問時間をただ削る。
意図的にやっているならば、悪質です。
そして安倍首相の回答内容について一言だけ
「政府の最も重要な任務は国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくこと」
「あらゆる事態に対して切れ目の無い対応」
「万全の備えをしていく必要」
これ、原発再稼働のときにも全く同じように考えてもらえませんかねぇ。
新規作成:2014/08/10
最終更新:2014/08/16
(変更履歴) 2014/08/16 文章が分かりにくかったので一部修正