広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式
2014年08月06日
■あいさつ
1:広島市原爆死没者慰霊式、平和祈念式に臨み、原子爆弾の犠牲となった方々の御霊に対し、謹んで、哀悼の誠を捧げます。今なお被爆の後遺症に苦しんでおられる皆様に、心から、お見舞いを申し上げます。
2:69年前の朝、一発の爆弾が、十数万になんなんとする、貴い命を奪いました。7万戸の建物を壊し、一面を、業火と爆風に浚わせ、廃墟と化しました。生き長らえた人々に、病と障害の、また生活上の、言い知れぬ苦難を強いました。
3:犠牲と言うべくして、あまりに夥しい犠牲でありました。しかし、戦後の日本を築いた先人たちは、広島に斃れた人々を忘れてはならじと、心に深く刻めばこそ、我々に、平和と、繁栄の、祖国を作り、与えてくれたのです。緑豊かな広島の街路に、私たちは、その最も美しい達成を見出さずにはいられません。
4:人類史上唯一の戦争被爆国として、核兵器の惨禍を体験した我が国には、確実に、「核兵器のない世界」を実現していく責務があります。その非道を、後の世に、また世界に、伝え続ける務めがあります。
5:私は、昨年、国連総会の「核軍縮ハイレベル会合」において、「核兵器のない世界」に向けての決意を表明しました。我が国が提出した核軍縮決議は、初めて100を超える共同提案国を得て、圧倒的な賛成多数で採択されました。包括的核実験禁止条約の早期発効に向け、関係国の首脳に直接、条約の批准を働きかけるなど、現実的、実践的な核軍縮を進めています。
6:本年4月には、「軍縮・不拡散イニシアティブ」の外相会合を、ここ広島で開催し、被爆地から我々の思いを力強く発信いたしました。来年は、被爆から70年目という節目の年であり、5年に一度の核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議が開催されます。「核兵器のない世界」を実現するための取組をさらに前へ進めてまいります。
7:今なお被爆による苦痛に耐え、原爆症の認定を待つ方々がおられます。昨年末には、3年に及ぶ関係者の方々のご議論を踏まえ、認定基準の見直しを行いました。多くの方々に一日でも早く認定が下りるよう、今後とも誠心誠意努力してまいります。
8:広島の御霊を悼む朝、私は、これら責務に、倍旧の努力を傾けていくことをお誓いいたします。結びに、いま一度、犠牲になった方々のご冥福を、心よりお祈りします。ご遺族と、ご存命の被爆者の皆様には、幸多からんことを祈念します。核兵器の惨禍が再現されることのないよう、非核三原則を堅持しつつ、核兵器廃絶に、また、世界恒久平和の実現に、力を惜しまぬことをお誓いし、私のご挨拶といたします。
出典:首相官邸HP(http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0806hiroshima_aisatsu.html)(段落番号は私が追加)
(私の感想)
半分以上去年のコピペでは?と話題になっています。
ですけど、問題は中身ですよね。
1段落目:お悔やみの言葉
2,3段落目:1945年の8月6日のことを思い、今の広島を思う
4段落目:『「核兵器のない世界」を実現していく責務』『非道を伝え続ける努め』が日本にはある。
じゃぁ、具体的に何をしてきて、これから何をするのか?が5-7段落目ですね。
5段落目:国連総会で核軍縮決議を提出し採択された。包括的核実験禁止条約早期発効に向けて各国に働きかけている。
6段落目:4月に「軍縮・不拡散イニシアティブ」の外相会合を開いた。来年はNPT運用検討会議が開催される。
7段落目:昨年末に原爆症認定基準の見直しをおこなった。
8段落目:誓い
このうち去年とほとんど同じと言われているのは1-4段落目と8段落目。
1段落目はお悔やみですから、そうそう変わるものではないでしょう。
2,3段落目は。。これ言う必要あるのかな?
4段落目は過去から未来まで一貫した日本の役割ならば、本当に核兵器の無い世界が実現するまでは変わらないものでしょう。
5-7段落目は具体的にやったことなので、当然コピペにはなりません。
8段落目の誓いは、具体的でなく抽象的な誓いをしてるだけだから毎年同じような感じになっても当然ですね。
ってことで、コピペはそれほど騒ぐような話ではないのではないか、と私は思います。
ただ、2,3段落目を敢えて入れるところに、安倍首相の鈍感さは感じますが。。。
1997年の橋本首相時代からの広島原爆の日のあいさつに目を通してみました。
お悔やみの言葉や誓いはどの首相も似たようなもんです。
誓いが毎年似たようなものになるということは、具体的な誓いになっていないということであって、
安倍首相に限らず、これまで日本政府は言うだけだったということになるのかもしれません。
そしてもう1点気になったのが日本国憲法の取り扱いです。
2008年の福田さん以降、民主党政権時を除いて、「憲法を守る」という誓いがなくなっています。
新規作成:2014/08/10
最終更新:2014/08/10