第96条 憲法改正手続き:カナダ

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■出典

各国憲法集(4) 2012年3月 国立国会図書館 調査および立法考査局

■概要

一般の改正手続きは連邦議会の上下院、2/3以上の州議会の賛成(州の人口合計が全州人口の50%以上)
重要事項の改正は連邦議会の上下院、全州の賛成

■条文

第 38 条
(1)(カナダ憲法改正の一般手続) カナダ憲法の改正は、次の各号の決議により承認された場合に、カナダ国璽を押印した総督の発布する布告により行われる。
(a)元老院及び庶民院の決議
(b) 3 分の 2 以上の州の立法議院の決議、ただし、それらの州の人口の合計が改正時に最も近い国勢調査において全州の人口の50%以上であることを要する。
(2)(議員の過半数)
第 1 項に規定する改正で、州の議会又は政府の立法権、財産権その他の権利若しくは特権を侵害するものは、第 1 項により要求される元老院、庶民院並びに立法議院のそれぞれの議員の過半数の賛成による決議を要するものとする。
(3)(反対の表明)
第 2 項の改正は、その改正に係る布告が発布される前に、立法議院がその議員の過半数の決議により反対を表明した州においては、立法議院が後に議員の多数による議決をもってその反対の決議を取り消し、改正を承認しない限り、適用されないものとする。
(4)(反対の取消し)
第 3 項の目的のために行われる反対の決議は、その改正に関する布告の発布の前後を問わず、いつでもこれを取消すことができる。

第 39 条
(1)(布告に関する制限) 布告は、各州の立法議院があらかじめ賛成又は反対の決議を可決している場合を除いて、その改正手続を発議する決議の可決の日から 1 年が経過するまでは、第 38 条第 1 項に基づき発布してはならない。
(2)(同上)
布告は、改正手続を発議する決議の可決の日から 3 年を経過したときは、第 38 条第 1 項に基づき発布してはならない。

第 40 条 (補償)
第 38 条第 1 項の規定に基づき、教育その他の文化的事項に関する州の立法権限を州の議会からカナダの議会に移譲する改正が行われた場合には、カナダは、その改正の適用を受けない州に対して合理的な補償を与えるものとする。

第 41 条 (全員一致による改正)
次の各号に掲げる事項に関するカナダ憲法の改正は、元老院及び庶民院並びに各州の立法議院の決議により承認された場合にのみ、カナダ国璽を押印した総督の発布する布告により、これを行うことができる。
(a) 女王、総督及び州の副総督の地位
(b) この章の施行の時点で、それぞれの州に割り当てられている元老院議員数を下回らない人数の庶民院議員を代表として送る各州の権利
(c) 第 43 条に従うことを条件とする英語又は仏語の使用
(d) カナダ最高裁判所の構成
(e) この章の改正

第 42 条
(1)(一般手続による改正)
次の各号に掲げる事項に関するカナダ憲法の改正は、第 38 条第 1 項の規定に従ってのみ、これを行うことができる。
(a)カナダ憲法が規定する庶民院における州の代表の比例原則
(b)元老院の権限及び元老院議員の選出方法
(c)元老院において州が代表として送ることができる議員の数及び元老院議員の居住資格
(d)第 41 条第 d 号に従うことを条件とするカナダ最高裁判所
(e)既存の州の準州への領域拡張
(f)他のいかなる法律又は慣習にかかわらず、新たな州の設置
(2)(除外)
第 38 条第 2 項から第 4 項までの規定は、第 1 項に掲げる事項に関する改正については、これを適用しないものとする。

第 43 条 (全州ではなく一部の州に関連する規定の改正)
次の各号に掲げる事項を含め、一以上の州に適用されるが全州に適用されない規定に関するカナダ憲法の改正は、元老院及び庶民院並びにその改正が適用される各州の立法議院の決議によって承認される場合に限り、カナダ国璽を押印した総督の発布する布告により、これを行うことができる。
(a)州間の境界の変更
(b)州内における英語又は仏語の使用に関する規定の改正

第 44 条 (議会による改正)
議会は、第 41 条及び第 42 条に従うことを条件として、カナダの行政府又は元老院及び庶民院に関するカナダ憲法を改正する法律を専属的に制定することができる。

第 45 条 (州の議会による改正)
各州の議会は、第 41 条に従うことを条件として、州の憲法を改正する法律を専属的に制定することができる。

第 46 条
(1)(改正手続の発議)
第 38 条、第 41 条、第 42 条及び第 43 条に基づく改正の手続は、元老院若しくは庶民院又は州の立法議院のいずれかが、これを発議することができる。
(2)(承認の取消し)
この章の目的のためになされる賛成の決議は、それにより承認を受けた布告の発布の前であれば、いつでもこれを取り消すことができる。

第 47 条
(1)(元老院の決議なしの改正)
第 38 条、第 41 条、第 42 条又は第 43 条に基づく布告により行われるカナダ憲法の改正は、庶民院における布告の発布を承認する決議の可決の後 180 日以内に元老院が同旨の決議を可決せず、かつ、その期間の満了の後いつでも庶民院が決議を再び可決した場合には、 布告の発布を承認する上院の決議なしに、これを行うことができる。
(2)(期間の計算)
第 1 項で定める 180 日の期間計算にあたっては、議会の閉会中又は解散の期間はこれを算入しないものとする。

第 48 条 (布告の発布の助言)
カナダのための女王の枢密院は、この章に基づく布告による改正に必要な決議が可決されたときは、総督に対してこの章に基づく布告の発布をすみやかに助言するものとする。

第 49 条 (憲法会議)
カナダの首相は、この章の施行の後 15 年以内にこの章の規定について再検討するために、カナダの首相及び各州の首相により構成される憲法会議を招集するものとする。

(上の日付は記事の並べ替えに使っているだけです。更新日は下をご覧ください)
新規作成:2013/10/06
最終更新:2013/10/06
(旧ブログ初掲載:2013/05/11)