サマーコンファレンス2014「たくましい国」日本創造フォーラム
2014年07月20日
■講演後の安倍首相質疑応答
講演内容は「2014年7月19日 長州正論懇話会講演会」とほとんど同じなので省略しまして
講演に引き続いておこなわれた、日本青年会議所の鈴木会頭とのやり取りを文字に起こします。
鈴木会頭
「この国のリーダーとして、今後世界の中で貢献しうるこの日本、また世界の中で確固たる地位を作っていく為に、どのような国を作っていくべきなのか?また、我々の、国民の声明と財産を守っていく、そんな国として、安心して暮らせる国として、どんなお考えを持っているのか?最近では近隣諸国との問題ですとか、北朝鮮のミサイル発射等ございますが、先ほどの講演の中でも安全保障についてはお話をされていましたけれども、グローバル社会が進む中で、この国をどのように今後導いていかれれるのか?そんなお考えを是非お聞かせいただければと思います。」
私は総理に就任いたしまして、今まで42ヶ国訪問をしてきました。来週、南米・中南米を5ヶ国訪問しますから、来週からは47になると思いますが、日本は多くの国々から期待をされている。そもそも、日本という国の存在感は、GDP世界第三位ですから、そして長い歴史と伝統のある国ですから、独自の文化を持っている、そういう意味においては、本来、高い存在感を持てる可能性を秘めている国だと、改めて私は認識をしました。現在、日本は世界中から注目を集めているのは事実であります。これはもっぱら経済政策によるところでありますが、今年は1月にダボスで日本の総理大臣としては初めて基調講演をしました。OECDにおいても基調講演をおこないました。そしてインドにおいても建国の記念日に日本の首相としては初めて招かれ、そしてオーストラリアの議会で演説をしました。これはやはり日本が本来持っている力を出し始めた、この日本に世界中が注目をしているんだろうな、と思いました。
同時に先般、オーストラリア、ニュージーランド、そしてパプアニューギニアを訪問したのでありますが、私も含めて多くの皆さん、パプアニューギニアというのが極めて親日的な国だということを知らなかった、知らない方たくさんおられると思いますね、私も知らなかったわけですから。行って驚いたんですが、飛行場から、ここではかつて東ニューギニアで12万人以上の日本兵が命を落とした大変な激戦地でした。当然、地域の皆さんにも大きな迷惑をかけた。しかし、飛行場に着いて、そして宿舎に行くまで、あるいは、日本人の慰霊碑に御参りをする為にウエワクという地域に行ったんですが、その地域で飛行場から降りて、その慰霊碑があるところまでですね、何万人も道に人が出てきてですね、手を振って、日本の首相が来たことを歓迎してくれているんですね。で、その地域の州知事は、ニューギニアの建国の父と言われているソマレという知事なんです。彼は初代の総理大臣、首相だったんですね。そして建国の父としてお札にもなっている人物なんですが、首相を辞めて、今、余生を知事としておくっているんですが、彼に「なんでそんなに、地域の皆さんは、そしてあなたは、親日的なんですか」と話をきいたら、彼がこう言っていました。彼が9歳のときに、日本軍がやってきた。自分の村に柴田中尉に率いられて中隊がやってきた。それまで自分は学校に行ったことがなかった。つまり学校がなかった。文字も知らなかった。そもそもパプアニューギニアには文字自体が存在していなかった。だから子供は学校に行っていなかった。で、その村に来た柴田中尉がその状況を見て、柴田学校というのを作ったんですね。そしてそのソマレ少年に初めて文字を教えて、なぜ文字を習うべきなのか、そして本が読めれば世界がどのように広がっていくか、人生がどうなっていくか、勉強すればあなたはどんな人間になれるのか、ということを柴田さんに教えてもらった。と言っているんですね。まさに、この日本人である柴田中尉、彼が自分の新しい人生を作ってくれた。と彼は話をしてくれました。だからこそ、これから国として発展していく上において、パートナーは日本だ。そこで先月、このパプアニューギニアでLNGが開発をされ、日本に第一便がやってきたわけであります。
ま、このように、日本人は知りませんが、多くの国で日本は期待されている。ですから、しっかりと日本も様々な役割を担っていく、いろんな役割を果たしていくべきなんだろうな、と思います。
鈴木会頭
「第一次安倍内閣において、教育基本法を改善されて、そして第二次安倍内閣において、教育現場、またもっと具体的な教育を改革しようと、進められていると思いますけれども、是非この教育について安倍総理のお考えをおきかせいただければと思います。」
先ほど柴田中尉の例をあげたのはですね、やはり日本人というのは教育を重んじてきたわけであります。そうした途上国への支援についてもですね、日本はやはり教育、人材育成、これに力を入れてきたし、これからも今まで以上に力を入れていかなければいけないと思います。
そしてこの日本自体においてですね、やはり教育というのはとても大切だろうと思います。そのために教育再生実行会議を作りましたが、同時に第一次安倍政権で作った新しい教育基本法に則って、しっかりと学習指導要領を改訂して、学校の現場でですね、新しい教育基本法に則った教育をおこなっていくべきなんだろうなと思います。
今、学力についてもですね、第一次政権で始めた、全国学力調査をスタートしたことによってですね、学力が向上し、日本は世界の、学力の世界でもカムバックしていると思います。学力調査をやることはですね、別にこれは個人個人のレベルを調べようということではなくて、学校で正しく先生達が子供達を指導しているかどうか、課題があるのか、問題があるのか、うまくっているのか。うまくいっている学校のやり方を全国で共有することができます。課題がある学校は課題が明らかになりますから、対処ができる。これは調査をしなければ分からないのですから、調査をすれば、確実にこれは、向上してくるのは当然なんだろうなと思います。
同時に全国の調査をしていますと、自分は価値のない人間だと思ったことが一回でもある、という、そういうアンケート。アメリカや、あるいは中国や韓国、そういう子供達は50%、40%、30%、そんな高くないんですね。日本になるといきなり8割になってしまう。まぁ、謙虚だということもそうなんですが、やっぱり日本人としてのアイデンティティに自信を持てない、そういう教育をおこなってきた結果でもあるんだろうな、こう思います。その意味におきましても、新しい教育基本法というのは何か、それは公共の精神を大切にしていくということをしっかりと教育の目標に書き込んだわけでありまして、公共の精神とは何かといえば、例えばこの横浜、この横浜の地域を良くしたいと思うんだったら、君もその責任を果たしていかなければはならないということを教えていくということなんですね。そして同時にまた、日本の郷土や、あるいは日本という国を愛する気持ちをですね、愛する心を涵養していくということを、しっかりと書き込んでいます。日本の文化と伝統を尊重するということも教育基本法には書いてあるんですから、しっかりとそのことを学習指導要領の中で実践をし、教科書にも反映させて、そういう教育もおこなっていくことが、大切ではないのかな。その地域のことが好きにならなければ、自分の生まれ育った町が好きにならなければですね、その地域をきれいにしよう、その地域のために頑張ろうという気持ちは、私は起こってこないんだろうと、そう思いますね。
岡崎出身ですよね。岡崎っていうのは徳川家康を支えてきたところですよね。三河武士で。私の地元は長州ですから、徳川を倒すことにみんな誇りを感じてきたわけでありますが、それぞれの地域にですね、それぞれの地域の歴史がある、伝統というのはあるんですね。そのことから誇りを持てるような、そういう郷土の偉人や良さも教えていく、そういうことも大切にしていきたいと思います。
鈴木会頭
「義務教育というのは健全な日本人を育てる、そんな教育現場であると思いますので、これからも教育、是非しっかりと進めていただきたいと思います」
道徳教育については特別な教科としてですね、これは当たり前のことを教えるんですね。嘘をついちゃいけない。約束を守ろう。そういうことなんですが、あと、まぁ、これはやっぱり、私、子供の頃、いろんな偉人伝を見て、読んでですね、そういう人になりたいと、みんな目を輝かせて思うんですね。そういう子供達が理解しやすい教材をそろえることが大切だなと、こんなように思います。私は第一次政権のときにですね、総理大臣として質問されたんですね。「あなたは政治家として、政治がいろいろ問題あるじゃないですか。道徳を教える、あなたには資格があるんですか」という厳しい質問を受けたことがあるんですが、それはですね、私もいたらない人間ですから、道徳的に批判されることもあるかもしれないけれども、そういういたらない人間でもですね、子供達に道徳を教えていく、という責任から逃れることは、私はできないんだろうと思いますね。
鈴木会頭
「これからを担っていく若い国民に対して、総理からメッセージをいただければなと思います」
あの、このJC(青年会議所)ってのは、ずっと40まで、あれですね。この40までというのは大切であってですね、みんな40になると卒業していく。しかし延々とずっと続いてきた。それがなぜかというとですね、戦争が終わった後、JCは日本で産声をあげたんですね、日本JCはね。それからなんとか地域を良くしたい、日本をもっといい国にしたいという、この情熱を糧としながら、みんな頑張って、そしてそのバトンが、次の世代、次の世代にずっと渡され続けて、今日に至ったんだろうと思います。
今、私たちにとっては、2020年に東京オリンピック、パラリンピックという1つの目標が与えられたわけであって、この東京オリンピック、パラリンピックがですね、世界に向かって日本がこんな素晴らしい国になったんだということをですね、発信する大きな目標にしたいなと思いますし、その目標に向かって頑張っていくのは、まさに若い皆さん世代だろうなと、これ東京だけのことではなくて、日本全体ですから、日本全体から、この沸き上がっていくような熱意を持って、この目標に向かって頑張ってもらいたい。かつて、1964年。あの東京オリンピックに向かってみんなが頑張った。戦争によって廃墟になった日本がこんなによくなったんだ、ということを世界に見せたいし、世界中の皆さんに知ってもらいたい。あのときの熱気を、若い皆さんに再び呼び込んでもらいたいな、とこんなように思います。
出典:政府インターネットテレビ(http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg10191.html)から私が文字起こし
(私の感想)
「汚染水による影響は福島第一原発の港湾内の0.3平方キロメートル範囲内の中で完全にブロックされています。」
「健康問題については、今までも、現在も、そして将来も全く問題ない、ということをお約束いたします。」
これは2013年9月8日の国際オリンピック委員会総会での安倍首相発言です。
「嘘をついちゃいけない。約束を守ろう。」
まさに道徳として当たり前のことを守れていないのは安倍首相本人なのでは?
2020年のオリンピックで日本は素晴らしい国だということを発信する?
福島原発事故のことは安倍首相にはどのように認識されているのでしょうか?
それにしてもなぜこれほど日本人、日本、にこだわるのか?
それぞれの地域にその地域の歴史や伝統がある。
これは日本に限らず、世界中どんな地域にだって言えることです。
何かを好きになれ、なんて教えられたくないです。
新規作成:2014/07/27
最終更新:2014/07/27