内外情勢調査会
2014年09月19日
■講演
講演の内容を一部抜粋で引用します。
まず集団的自衛権について
いかなる事態であっても、国民の命と平和な暮らしを守り抜く。内閣総理大臣である私には、その大きな責任があります。
7月に、閣議決定を行いました。いわゆる「グレーゾーン」に関わるものから、集団的自衛権に関わるものまで、切れ目のない安全保障法制の整備に向けて、準備を進めてまいります。
自衛の措置をとる場合も、それは、他に手段がないときに限られ、かつ、必要最小限度でなければならない。憲法解釈の基本的考え方は、何ら変わりません。自衛隊が、かつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことも、決してありません。
このように明確に申し上げてもなお、「日本を戦争する国にしようとしている」といった、いわれなき批判があります。「戦争に巻きこまれる」、果ては「徴兵制につながる」といった、まったく根拠のない、不安を煽るだけの批判は、60年安保改定の時もたくさんありました。
しかし、4月にオバマ大統領が訪日した際、「尖閣諸島は安保条約5条の対象である」と明確にしたことに対して、マスコミ各社の世論調査で、多くの国民の皆様が評価していただきました。日米同盟が国民的支持を得ていることは明らかです。
何よりも、日米同盟が、抑止力として、日本とこの地域の平和に大きく寄与してきたことは、歴史が証明してくれています。私は、今回の閣議決定もまた、歴史の評価に十分堪え得るものだと確信しています。
54年前と同じような不毛なレッテル貼りに、私は、実に違和感を覚えます。実態に即した議論を行いながら、国民の皆さんの更なる理解が得られるよう、これからも努力していきたいと考えています。
安全保障政策は、国民の暮らしに直結する問題でありながら、専門的で分かりにくい面が、確かにあります。根拠のない批判や、いたずらに扇動的な言説は、国民を混乱させかねません。全ては事実に基づきながら、活発な国民的な議論が行われるよう期待しています。
日本は、戦後、自由で民主的な国を創り上げてきました。言論の自由や報道の自由が完全に確保されていることは、日本が誇るべきことです。
事実関係を謙虚に検証しながら、むしろ意見は活発に闘わせる。健全な批判を期待しております。
原発について
鹿児島県にある川内原子力発電所について、原子力規制委員会によって、再稼働に求められる安全性が確認されました。
3年前の3月11日のあの痛ましい原発事故によって、福島を始め多くの方々が、今もなお、不自由な生活を強いられています。再稼働への不安の声が大きいのも、当然のことだと思います。
しかし、原発が全て止まった結果、海外への燃料依存度は、石油ショックの頃よりも高くなっています。年間3兆6千億円もの国富が海外に流出してしまっています。エネルギー価格の高騰は、中小企業・小規模事業者の皆さんを始め、国民生活に深刻な影響を与えており、看過できません。
福島の事故の反省に立って設立された原子力規制委員会は、田中委員長を始め、この2年間、粛々と、全く妥協することなく、科学的・技術的に、世界で最も厳しいレベルの規制基準を作り、そして、その基準に基づいて審査を進めてこられました。
私は、こうした原子力規制委員会を信頼しています。その判断を尊重し、川内原発の再稼働を進めてまいります。
出典:首相官邸HP(http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0919naigai.html)
(私の感想)
あきれて開いた口がふさがりません。。。
今の集団的自衛権への批判は安倍首相に言わせると「不毛なレッテル貼り」なんだそうです。
しまいには「健全な批判を期待しております」と。。。
これまで何度も何度もこのホームページで安倍首相の国会答弁等を取り扱ってきて、
その度にいつも指摘してきました。安倍首相は人の質問に答えない、議論にならない。。と
イチイチ全部を振り返りませんが、1つだけ言うならば、
安保条約の改定と集団的自衛権の話をごっちゃにして同じ土俵にのせること自体が、訳のわからない理屈です。
それから原発
「(規制委員会の)判断を尊重し、」再稼働を進める
という言い方は責任転嫁ですよね。
何かあっても規制基準あるいは規制委員会の審査が悪かったんだ、と言いそうです。
川内原発についてはカルデラ噴火について専門家から厳しい指摘が続出しているのを無視した合格です。
(詳しくは官邸前ポスター2014年9月12日と2014年9月19日分をご覧下さい)
是非この部分で集団的自衛権の際に必ず言う「国民の命と平和な暮らしを守り抜く」を実現してもらいたいです。
新規作成:2014/09/21
最終更新:2014/09/21