2014年6月13日 田中知氏 ぶら下がり会見文字起こし
2014年6月13日に
新しい原子力規制委員会委員である田中知氏のぶら下がり会見があり、
その動画がIWJのオープンコンテンツにあります。
「2014/06/13 原子力規制委員候補・田中知氏「再稼働は政府が判断すること」」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/146357
(IWJのリンクのルールが分からないのでURLをコピーするか、タイトルで検索を)
この人がどんなことを言ってきたのか、
記録として残しておくことは重要なのでは?
ということで文字起こしを思いつきました。
しかし、まぁ、安倍首相以上に滑舌が悪いんです。。この田中さん。
その上早口でしゃべるもんだから余計分かりにくい。
田中氏が規制委員としてふさわしいか、ふさわしくないか、
という問題は(重要ですが!)さておき、
まず、人に説明するときはゆっくりはっきりと語るように意識して欲しいもんです。
実際、下のYoutubeで見られる学生さんからのインタビューみたいに
ゆっくりはっきりしゃべればちゃんと聞き取れるんですよ。。
(http://www.youtube.com/watch?v=Dm3PceMMH_Q)
とはいえ今回の会見はとても聞き取りにくい20分間でした。
ネットで検索しても全文を文字起こししている人は見つけられていないので、
ここが日本唯一かも??
(20140711追記)っと思ったら、おられました。すみません。。
まぁ、それはさておき、とりあえず頑張りました。
でも聞き取れない部分は残りました。その部分は「●●」としています。
他にも結構怪しい所がありますが、それほど大きく外してはいないと思います。
また動画中の時間も参考までに示しています。
では、はじまり~
0:45
日本経済新聞 ホンダ氏>
先生の御専門はバックエンドというふうに伺っているんですけど、これまで特にどういう研究テーマに取り組んで来られて、と、それと、その経験を原子力規制委員会の委員になられた後でどういうふうに活かしていけるか、この2点お願いします。
田中氏>
専門はですね、バックエンドあるいは核燃料サイクルということでございますが、これらもですね、原子力工学という大きな観点の中でのそういうふうな研究をおこなっていました。すなわちバックエンドと言ってもどういうふうにして安全強化するのかとか、あるいはそれが絡むような基礎研究どうか、というふうな事でございます。そういう小さな分野での研究と経験だけじゃなくって、原子力工学の大きな観点での研究あるいは経験と知識をですね、今後の規制委員会での業務に反映していきたいと思います。
1:41
毎日新聞 シュドウ(?)氏>
田中さん、これまでですね、原子力業界のいろいろ理事、それから役員なさっておられて、研究室もですね、原子力関連団体などから寄付を受けられていますが、改めてその規制委員会の独立性中立性、そういう事をどうお考えなのか?という事と、それと、そういった経歴で今後どのように独立性や中立性というものを説明されるのか、この2点教えて下さい。
田中氏>
資格につきましてはですね、私の方からコメントする立場にはございません。国会のですね、議論の中でそういうところも含めて検討されたところでございます。が、国会で決定されたという事を受けて、それを深く、重く受けとめて、これから、規制委員会の委員としてですね緊張を保ちながら、しっかりとやっていきたいと思います。
毎日新聞 シュドウ(?)氏>
あっ、すみません、その独立性中立性について、ご自身のご見解は?
田中氏>
今申し上げましたが、適格性については、私の方からですね、コメントする立場にございません。ですが同時にですね、私の方から規制委員会事務局にこれまでどういうふうなことで、関係してきたかとか、提出してますし、またまた皆さんの方から大学の方に問い合わせ頂くといろんな情報がですね、あるかと思います。その情報通りでございますが、適格性について私の方からコメントする立場ではないと思います。
3:24
朝日新聞 カワダ氏>
適格性というよりですね、中立性を、これまで推進の立場におられたという経歴がありますけれども、中立性をどう保つか?という事をお話しいただけますか?
田中氏>
国会でですね、議論された事であって、それについてコメントする立場ではないと申し上げているところでございますが、さらに一個あるとすれば、規制委員会というのはですね、国民の安全と人のですね、人と環境を守るという大きな目的がございます。その目的のためにしっかりとしてですね、専門的な観点から検討するということはですね、大きな目的でございますので、それについては、その目的をしっかりと感じながらですね、やっていきたいと思います。
4:11
フリー 上出氏>
今のに関連しますが、連日の報道や、一般の世論の一部にはですね、先生が原子力ムラの出身であるということを非常に懸念されていて、本当にやっていただけるんだろうか?それと産業界から、大変、現職の島崎委員に対して「事実上の更迭」という様なあからさまな言い方で自民党の方なんかも言っている中でですね、本当にこういう問題について政治に巻き込まれないでやっていく、そういう決意というか、絶対にそういう事とは違うんだという事をおっしゃる●●、一般の方からみるとどうしても再稼働に向けてこれを後押しするために選ばれたという、そういうふうに見られています。
それに対してそうじゃないということを断言できますでしょうか?
田中氏>
原子力規制委員会は、先ほども申し上げましたが、人と環境を守るという大きな目的がございます。それに対してですね、本当にこれまで私が経験してきたことと、それから、勉強してきたことを踏まえてですね、その規制委員会の目的のためにしっかりやるということでございます。そのような観点から国会の方でですね、私に●●(投じられた?)と思っていますから、そのところをですね、本当に深く受け止めて、やっていきたいと思います。
もちろん原子力ムラというですね、いろいろと考えあるんです。もちろん原子力教育と研究にですね、関与してきたということでは事実でございますが、そこでですね、得てきた経験と知識をですね、最大限に生かして原子力規制委員会の目的のためにですね、しっかりとやっていくという覚悟でございます。
5:51
電気新聞 ??氏>
立地地域の一部からは規制委員会に対してちょっと厳しい見方もあるんですけれども、立地地域とどういう関係で接していきたいとお考えですか?
田中氏>
原子力の目的というのは、1つは環境を守るということでございます。今回の福島事故も、人あるいは環境を守れなかったというのは大きな反省でございます。そういうことではですね、いかにして環境を守れるかということでは、立地地域あるいはその場におけるですね、なんと言いましょうか、防災とかですね、そういった関係したところがございますから、そういったことを幅広く考えて、原子力の安全をどういうふうに確保していくのか、ということをしっかりと検討していきたいと思ってございます。
6:43
ロイター ハマダ氏>
いろいろなアンケート調査をすると、再稼働に対する反対が根強いんですが、原子力の信頼回復には何が最も重要だとお考えでしょうか?
田中氏>
もちろんですね、原子力規制委員会というのは原子力政策について、あるいは再稼働についてですね、意見をいう立場ではございません。ですが、一番大事なのはですね、大きな意味でのリスクコミュニケーションだと思います。なかなかリスクコミュニケーション難しいんですけれども、本当に高いその接点を入れたような形で、リスクコミュニケーションすることだと思います。その中で、原子力規制委員会もですね、もちろん孤立しないような独立性を保ちながら、関係者とですね、本当にコミュニケーションをどうしていくのか、いうふうな中で、リスクコミュニケーションがですね、進化する一端にもなっていくのではないかなと思っています。
7:44
西日本新聞 オオタ(?)氏
今日は参事という事で御就任ですが、委員長からはどういうお言葉があったかというのと、それをどういうふうにご自身で受け止められたか、それから「福島事故について大きな反省」とおっしゃいましたけれども、もう少し専門のお立場で、どういうところに原因があって、今後どういうふうに委員としてはそれを生かそうとされてるかというのをもう少し詳しくお聞かせ下さい。
田中氏>
今日、実は、先ほど、田中俊一規制委員会委員長の方からですね、規制委員会の参事としての辞令をいただきました。これはですね、私の理解しているところにおきましては、実際に就任するのは9月19日かと思いますが、これまで約2年間ですね、規制委員会として様々な仕事をされてきてございます。ですが、委員が変わるときにですね、仕事、あるいは業務の滞りがあってはいけないので、それまでの3ヶ月間、しっかりと、今どんなことを検討してきて、これからどうしようとしているのかについて、まぁ、なんといいましょう、勉強しろ、という風な形での、参事じゃないかなと思います。
2つ目の質問で、事故をどう思うのかというのがございました。私、実は、福島県のですね、除染アドバイザというのをさせていただいていまして、福島県の方にもですね、しょっちゅう行ったりしてます。県庁だけじゃなくって、いろんな地元等行っています。今回のやつはですね、大量の放射性物質がですね、放出されて、現在においても20万人以上の方が避難生活をされている。こういうあってはならないようなことを起こしたわけでございます。そういうことではですね、人と環境を守れなかったわけでございます。それの原因をしっかりと追求して、分かって、それを踏まえて今後の規制に役立てていかなければいけないと思います。一言で言うとですね、人と組織とシステムの力をどうつけるのかということになろうかと思います。
9:42
朝日新聞 コイケ氏>
これまでの規制委員会の活動について、たとえば審査だとか断層の評価会合などについて、一部の原子力の専門家の方からは、たとえば孤立に陥っているだとか、あるいは非科学的な議論が行われているとか、そう言った批判も結構聞かれるんですけれども、これまでの規制委員会の活動について、田中先生がどのようにご覧になられていて、ご自身はどのように臨みたいと思いますか?
田中氏>
まだ、じっくりと中を検討しているわけではございませんので、詳細については答えることができませんが、一番大事なのは科学的、技術的な判断に基づく規制だと思います。
10:30
フリー 田中氏>
先生は先ほどから何回も「国会からの任命を受けた」と「国会から」と連発されていますが、国会は自・公・民、これ圧倒的に原発推進勢力です。そこからの任命を受けたという事は、今後の規制委員会の先生のお立場に影響されませんか?
田中氏>
それはございません。ございません。で、同時に規制委員会というのは三条委員会でございますから、独立性を持ってですね、しっかりとやっていくことが大事であって、そういうことを規制委員会あるいは規制委員としてですね、その辺の認識をしっかりと持ってやることが大事であると思いますし、私もそういう認識でございます。
11:14
フリー 田中氏>
それと、先程先生は「孤立しないように」と、原子力規制委員会が孤立しないようにとおっしゃいましたが、これはですね、ここに圧力をかけにきた、規制委員会に圧力をかけにきた、元官房長官の塩崎さんが言ったコメントです。これはやっぱりその、肩の荷が落ちたというか、やっぱり先生はあっちの勢力、推進勢力の横行を代弁されてらっしゃるんではないですか?
田中氏>
いや、そういうことはございません。どこの国においてもですね、こういうふうな規制というのは、孤立しない独立性をどう保つか、ということが大変重要なポイントでございます。その大きな方針の元にですね、どこの国においても、その国にふさわしいシステムを作っているところでございます。我が国においてもですね、その辺のシステムができつつあると思いますし、また、今後必要があればですね、改善することも必要になってくると思います。
12:10
テレビ東京 オオタ氏>
「新規制基準は世界一厳しい」と政権は胸を張っています。それで、安全審査が規制委員会で認められれば、すみやかに再稼働に向けて準備を進めると経産大臣が言っていますけれども、先生自身はこの規制基準が世界一厳しいと思っていらっしゃるか?で、この基準をクリアすれば再稼働しても全く問題ないとお考えでしょうか?この二点をお願いします。
田中氏>
規制委員会はですね、あくまでも新規制基準に則っての適合性の評価をするというところが●●(重要?)でございましてですね、またその結果を国民に説明するという責務はございます。それを踏まえて、再稼働するかどうかというのは、また政府等が判断することでございます。もう1つ、世界一厳しいかどうかという観点がございました。私はですね、世界一とか、あるいはリスクはゼロと言った瞬間に、いろんな改善的に、継続的にそれを改善する力がなくなるとすれば、それは良くないんだ、と思います。ですから逆に、さらにいつもいつも、より高いレベルでの規制を目指す、ということが必要かと思います。
13:34
NHK モトキ氏>
先生はこれまでは原子力を推進する立場におられたと思うんですけれども、今後は規制当局の一員としてですね、事業者や業界の関係者とどういったスタンスで対峙されていかれるのか改めて聞かせていただけますか?
田中氏>
具体的に言いますと、まず、規制委員会にそういう風な規則等がございますから、規則に則って、的確な方法で対応するということになろうかと思います。
NHK モトキ氏>
「規則に則って」ということなんですけれども、ご自身の考え方とか、スタンスみたいなところで、もう少し、どういった形で臨まれますか?
田中氏>
十分にこれから考えたいと思いますが、ただ、やっぱり孤立しない独立性ということと同時にコミュニケーションが大事だということとですね、それから、規制とか推進、あるいは賛成とか反対ということではですね、世の中、理解が十分いかないことが多いと思うんですね。そういうところをいかに共通的な認識とか、どうもっていくのか、等についてはですね、それこそ、事業者も規制当局もですね、しっかりと考えていくというふうな観点かと思います。そういう風に関係する人たち、組織がですね、全て全て、継続的な改善を繰り返していった結果としてですね、原子力の安全というのがですね、高いレベルで達成していくことになっていくのではないかと思っています。もうちょっと考えていきたいと思います。
15:05
フリーランス ??氏>
先程福島の反省というお話がありましたけれども、一方で事故の原因が明確になっているかと言うと、そうではないという立場の方もいらっしゃると思います。田中さんご自身は事故の原因についてどこまで解明出来て、まだあるいはできていない部分もあるのかどうか?その辺のお考えをお聞かせ下さい。
田中氏>
私、原子力学会の事故調査委員会の委員長をさせていただきました。そこでもいろいろと検討させていただいて、事故の直接要因、それから事故の背後要因、というようなことをですね、整理させていただいたところでございます。ですがですね、ここで一応まとめてるんですが、やはり、そこでまとめて整理して、さらに提言も出してるんですけれども、整理してまとめて提言出したら終わりというわけじゃないと思います。しつこいですけれども、いかに人知の限界、あるいは絶対リスクがゼロにならないんだということを意識しながら、継続的改善をどうしていくのか、ということがございます。それから逆に言うと、総合的に判断してですね、ここまでというわけじゃないんですけれど、あと何が大事なのかということを分かってやっていくことが大事かと思います。
16:21
??氏>
1つ関連で。原子力学会の方は事故の原因は全て分かったという立場だと思うんですけれども、そういう理解でいいですか?
田中氏>
はい
??氏>
すると、これ以上の調査はもう必要ない?
田中氏>
もちろんですね、これから廃炉作業が具体的に進んでいくなかで、より明らかになっていくことも多いと思います。そういうやつを、例えば事故進展とかにですね、フィードバックしていくということは重要でございます。
16:51
共同通信 ??氏>
先生さっきちょっとお答えをはぐらかされたんで、もう一度お尋ねしますけれども、大事なのは「科学的、技術的な判断に基づく規制である」と、これまでの2年間、外から見ていらっしゃって、原子力規制委員会の姿勢は、科学的、技術的判断に基づいた規制であるというふうにおこなわれていると見ていらっしゃいますか?それとも、そうではない、まだ足りないところがあるというふうにお考えでしょうか?
田中氏>
ひとことで申し上げますとですね、十分に科学的・技術的な判断に基づいてきたと思います。ですが、その十分というのもですね、どこまでやれば十分かという概念があると思います。それはさっきの、事故のときのリスクをどうするかということも関連してきますけれども、やっぱり、どこが足りないのか、どこが不十分なのかということを、いつもいつもですね、総合的、俯瞰的に考えなければいけない、ということが必要かと思いますが、ひとことで申し上げてですね、今までは科学的・技術的にやってるし、さらに、それを改善するというですね、努力もやっていると、私は理解しています。
共同通信 ??氏>
つまりこれまでの在り方を基本的には踏襲して、この路線でいくということですか?
田中氏>
はい
17:57
北海道新聞 ??氏>
ピンポイントになって恐縮なんですけれども、電源開発が計画しているフルMOX、大間の方で計画しているフルMOX発電についてお聞きしたいんですけれども、田中委員長は世界で例がないという事で慎重に、この審査の申請があった場合はみていく必要があるというふうにおっしゃってますけれども、ご専門に入ると思うんですけれども、田中先生はどのような感じでしょうか?
田中氏>
ちょっと専門的な質問でございましたが、大間以外についてのプルサーマルは3分の1までの炉心燃料をMOXに変えるということでございました。同時にですね、大間については最終的にフルMOXを目指してたんですが、やはりその、フルMOXあるいは3分の1炉心MOXあるいはそうじゃない、ということをですね、若干、工学的な要因が違ってくることはございますがですね、どこが違うのかということを認識して安全に設計をやることが大事かなと思います。
19:05
東京新聞 ??氏>
先生は福島の事故後も原子力発電の必要性というのを訴えてらっしゃったんですけれども、今は率直にいって原子力発電への思いというかですね、必要性というのはどのようにお考えですか?
田中氏>
現在におきましてはですね、国会において原子力規制委員会の委員としてですね、了解されたということもあり、これから規制委員会委員として働いていくということもございますので、原子力政策についてはですね、コメントあるいは発言しないようにしております。
19:42
電気新聞 ヤマシタ氏>
規制委員の候補に打診されたのはいつごろか?ということと、受諾された理由を教えて下さい。
田中氏>
人事的なことでございますので、答えないほうがいいかと思います。それから理由なんですけれども、この規制委員会の委員というのは、国民からも世界からも大変注目されているものでございます。そこの責務は大変重いものがあるというふうに私は理解してございましたが、ここにおいて国会で了解された後は、しっかりと任務を全うする、あるいは任務を果たすというのが現在の心境でございます。
20:30
河北新報 ??氏>
先程来福島への言及がございますけれども、福島第一原発でいろいろなトラブルが相次いでいますが、原発の現状をどうとらえてらっしゃるのか?現状認識をお伺いします。
田中氏>
皆さんご承知の通り、使用済み燃料の取り出しが昨年11月から始まりですね、今後、3号炉等始まっていきます。また燃料デブリの取り出し、あるいは水問題とですね、いろんなことを考えると、やっぱり30年、40年しっかりとやっていかないといけないわけでございます。これについては賠償・廃炉支援機構でしょうか、最近出来る予定でございますし、東京電力の方にも廃炉推進カンパニーができてくるということでございます。同時にですね、規制委員会としても廃炉に伴うトータルのリスクをですね、低減するというふうな観点からしっかりとした規制をやっていく必要が、これからまた一段と多くなっていくかと思います。
以上です。ふぅ。