衆議院国家安全保障特別委員会
2013年11月06日
この特別委員会で「安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案」が可決されました。
■現状認識
(自民党 今津 寛 氏との質疑中)
そして、近年の我が国を取り巻く状況を見れば、安全保障環境は大変厳しさを増しているわけでありまして、大量破壊兵器や弾道ミサイルの脅威は深刻度を増しています。また、サイバー攻撃のような、国境を越えていく、新しい脅威も増大をしているわけでございまして、このような状況のもとでは、もはや我が国のみで我が国の平和を守ることはできないわけでありまして、すなわち、脅威が容易に国境を越えてくるような状況のもとでは、自分の国さえ平和であればよいとの一国平和主義の考え方では我が国の平和を守ることはできません。この認識に我々は立っているわけでありまして、我が国の平和を守るためには、地域や世界の平和と安定を確保していくことが必要であります。
このような認識のもとに、私は、我が国が国際協調主義に基づいて、世界の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献する国になるべきとの考えを積極的平和主義として掲げたわけでございます。
(日本維新の会 藤井 孝男 氏との質疑中)
先ほど藤井委員が指摘をされたように、我が国をめぐる安全保障環境は大きく変わっておりますが、また、これは国際状況としても、この二、三十年の間に大きく安全保障環境が変わったと言ってもいいんだろうと思います。単に陸、海、空だけではなくて、宇宙空間、あるいはサイバー空間において、安全保障上のさまざまな懸念もあるわけでございます。
そしてまた、例えば、先ほど指摘されたように、北朝鮮による核、弾道ミサイル開発の脅威が増大をしております。そして、中国についてでありますが、中国の透明性を欠いた軍事力の増強や我が国周辺海空域における活動の急速な拡大、活発化は、地域、国際社会の懸念事項となっていると言ってもいいと思います。
御指摘の、力関係の逆転という言葉でありますが、これが何を意味するかというのはちょっと定かではございませんが、中国の国防費について言えば、これは一九八九年以降、おおむね二十年以上にわたって毎年一〇%以上増加をしておりまして、現在では我が国の防衛費の二倍以上となっているわけであります。
我が国としては、防衛費を含めた中国の国防政策について、引き続き注視をするとともに、透明性の向上や国際的な行動規範の遵守について、関係国とも連携をして中国に働きかけを行っていく考えであります。
(日本共産党 赤嶺 政賢 氏との質疑中)
二〇〇三年のイラク戦争に関する我が国の対応については、民主党政権下において外務省が検証を行い、昨年十二月にその結果を発表したところであります。
我が国が武力行使を支持するに至った当時、査察への協力を通じて大量破壊兵器の廃棄をみずから証明する立場にあったイラクが、査察受け入れを求める累次の安保理決議に違反をし続け、大量破壊兵器が存在しないことをみずから証明しなかったことが問題の核心だったというふうに考えるわけであります。
また、イラクは、かつて、化学兵器を所有し、そして自国民であるクルド族に対してそれを使用した、そういう過去があったわけでございまして、そして、彼らは、それがないということを証明できるにもかかわらず、それをしなかったということでございます。
他方、今委員が御指摘になったように、事後的に言えば、イラクの大量破壊兵器が確認できなかったとの事実については厳粛に受けとめる必要がある、こう考えているわけでありまして、こうした認識も踏まえながら、引き続き情報収集や分析能力の強化に取り組んでいきたいと考えております。
■NSC創設の意義
(自民党 今津 寛 氏との質疑中)
NSC創設の意義は、先ほど申し上げましたように、日本を取り巻く安全保障環境が大きく変わっております。その中において、常に国際状況を分析しながら、日本に対するさまざまな脅威に対してどう対応していくか。
これは、外交的あるいは軍事的にどう対応していくか、そして、その対応の仕方によりどのような反応があるかということも含めて、常にさまざまなシミュレーションをしておき、そして政策的な選択肢を用意していく必要があるわけでありまして、そして、その政策的な選択肢について、総理大臣やあるいは外務大臣、防衛大臣、官房長官が、日ごろからそうした選択肢についてよく理解をしながら協議をしていくという状況をつくっていくことが極めて重要なんだろう、このように思うわけであります。
その中において、政策的な発注として情報収集を発注して、情報収集して分析されたものをさらに政策の中にどう組み込んでいくかということも議論していく、これは、極めて私は、日本の安全を守っていく上において有意義であろう、このように思っております。
■議事録
(公明党 上田 勇 氏との質疑中)
従来の安全保障会議においては、御承知のように、審議内容が機微であること、あるいはまた関係閣僚の闊達な意見交換を確保する必要があることなどから、議事録は作成をしておりません。ただし、安全保障会議の審議の概要は、事後、官房長官が会見において可能な限り公表をしてきたところでございます。
国家安全保障会議の審議内容は、今委員が御指摘になったように、いわば、我が国が置かれている状況、安全保障上の環境について議論を行いますが、特定の国あるいは政府についての分析や情報についての議論も行いますので、そうしたことについて、果たして公表することがふさわしいかどうかということも当然十分に検討する必要があります。
公表のあり方や関連文書の作成及び取り扱いについては、国家安全保障会議の性質等を十分に勘案しつつ、国の安全保障を損ねない形でしっかりと検討をしていきたい、このように考えております。
(民主党 大島 敦 氏との質疑中)
議事録については、これは委員も重々御承知の上で質問されていると思いますが、中身については、まさに国家安全保障にかかわる中身についていわば四大臣間で意見交換を行うわけでございますが、相当突っ込んだやりとりも行う必要があるわけでありまして、特定の国あるいは特定の政府における状況、いわば我が国の安全保障に関する、あるいは外交に関するその国あるいは政府の態度についての分析、あるいは起こり得る状況についての分析を行いますので、そういう機微な情報も含むわけでございますので、公表のあり方や関連文書の作成及び取り扱いについては、国家安全保障会議の性質等を十分に勘案しつつ、国の安全保障を損ねない形でしっかりと検討をしていきたいと考えております。
出典:衆議院HPの議事録
(私の感想)
とにかく軍事力。というのが安倍さんの基本姿勢に見えます。
そして、共産党赤嶺氏のイラク戦争での反省についての質問に対しては2013/10/25の衆議院本会議での答弁を再び読んでいるかのような。。
議事録については機微な情報を含んでいたとしても、後の人たちで検証するためには絶対に残すべきでしょう。
未来永劫公表できないような議論を元に国を動かすんじゃない、と言いたいです。
結局この委員会で議事録については付帯決議がつきましたが
安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一 国家安全保障会議の議事について、会議の性質などを十分に勘案しつつ、その意思決定に至る過程の将来における検証等を通じて政策決定の透明性を> 確保するという公文書等の管理に係る制度の趣旨を踏まえ、国の安全保障を損ねない形で速やかに会議録その他の議事に関する記録の作成について検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
二 国家安全保障及び危機管理に関する内閣官房の組織の在り方について、国家安全保障及び危機管理に係る政策決定の機動性及び実効性の観点から不断の見直しを行うこと。
検討するだけで結局何もしないんだろうなぁ
新規作成:2013/11/17
最終更新:2013/11/17