衆議院予算委員会第3号
2013年10月22日
■憲法
(日本維新の会 平沼 赳夫 氏との質疑中)
成立過程においては、まさに日本が占領されていた時代でありますし、日本が降伏してから余り時間がたたない中において成立したのは間違いがないわけでございます。
委員が御指摘のように、松本担当大臣のもとに日本の案を、甲案、乙案をつくる中において、たしか毎日新聞の西山柳造記者がスクープをするわけでありまして、このスクープを見たGHQ側が、もはや日本側に任せておくことはできないという中において、今おっしゃったように、ホイットニー民政局長そしてケーディス次長が中心になって二月四日にこれをつくるように指示をし、そしてでき上がったのが十二日、こう言われているわけであります。
ちなみに、リンカーンの誕生日、ホイットニー民政局長はリンカーンを尊敬していたというふうに言われているわけでございますが、極めて少数、そして、憲法の専門家、国際法の専門家は一人もいなかったというのがファクトであろう、このように思うわけであります。
この成立過程について、これを、成立過程が問題である、あるいは問題でないという議論が当然あるとは思いますが、しかし、この事実については当然認識をしておく必要はあるんだろう、このように思うところでございます。
九十六条の改正については、これは御党と同じ考え方に立っていると言ってもいいんだろう、このように思うわけでございます。
先ほど申し上げましたように、憲法の成立過程は、いわば日本が占領下にある中において成立をしたわけでございますし、その際、しかし、手続的には帝国議会において成立をしたということであり、既に成立をして六十有余年経ているということもあるわけであります。
同時に、しかし、現行憲法をつくる際において、では、選挙において、まず、この憲法を帝国憲法から新しい憲法に変えるということを争点に国民に問うたかといえば、そうではないわけでありまして、つまり、これは、当時の占領国、連合国によってつくられたものに修正を加えたものを帝国議会で可決し成立せしめたということではないか、こう思うところでございます。
そこで、九十六条については、衆参それぞれ三分の二以上の発議がなければ国民投票を行うことができないわけでございまして、ということは、衆参どちらかにおいて三分の一を少し超えれば、国民は指一本触れることができない。あるいは、五割、六割の皆さんがこれを変えたいと考えていたとしても、国民投票は行えないということはおかしいではないかという考えであります。
もちろん、この改正を行うためにも、それぞれ衆参両院で三分の二を得て、そして国民投票を行うわけでありまして、その前に二分の一にするという誤解もあるようでありますが、まずは三分の二、三分の二という現行の規定どおりのハードルを越えた後、国民投票を行い、そしてそれを二分の一にする。
しかし、二分の一にしたところで、今の国民投票の条件は全く変わらないわけでありまして、つまり、我々が目指すところは、憲法というのはやはり国民の皆さんに決めていただく。普通の法律は、国会において国会議員が決めれば、それで完結をするわけであります。憲法とは何かといえば、それは国民が決めるんです。国民投票によって国民が決める、この原点に戻ろうではないかというのが我々の考えである、こう思うところでございます。
■原発
(日本維新の会 小熊 慎司 氏との質疑中)
答弁する前に、先ほど、私のオリンピックのスピーチにおいて、東京と福島の距離に言及して、だから東京が安全だと、私はそういう発言は一切しておりませんので、そういうことはなかったということは申し上げておきたいと思います。
帰還困難区域のように、事故後六年が経過しても放射線量の関係で帰還が難しい区域では、戻りたいと考えている方々、そして戻らないと考えている方々、判断に迷っている方々、さまざまな方々がいらっしゃるわけでございます。
このような中で、被災者の方々が故郷に帰還されるかどうかの判断は、地元自治体及び個人の意思を尊重すべきだと考えておりまして、政府としては、こうした地域のあり方について、さまざまな思いを抱く住民の方々がおられることをしっかりと念頭に置いた上で、自治体とも十分に相談、そして協力をしながら、線量の見通しや地域の将来像等をしっかりと示していくことが重要であると考えております。
また、福島の復興に向けて、復興と連携し除染を加速化するため、中間貯蔵施設の整備が必要不可欠であります。中間貯蔵施設の整備について、地元の御理解が得られるよう全力を尽くしていく考えであります。
御指摘の中間貯蔵後の最終処分については、非常に重要な問題であります。まずは、中間貯蔵施設の整備に向けた取り組みを進めながら、幅広い意見を聞きながら、住民の皆様の気持ちに寄り添いながら、しっかりと考えていきたいと思います。
(日本共産党 笠井 亮 氏との質疑中)
具体的には経産大臣の方でお答えをしますが、今まで後手後手の対応であったことから、その後手後手の対応から先手先手の対応に変えていかなければならない。
そして、政府としては、先ほど申し上げましたが、全体の工程管理や進捗管理、あるいはまた、技術的難易度が高い、汚染水問題解決のボトルネックとなっている事業の財政措置、そして、予防的かつ重層的な対策の検討、国内外での正確な情報発信などに責任感を持って取り組んでまいります。
こうした考え方のもとで、政府は、先般、汚染水問題に関する基本方針において、政府の姿勢と具体的な対応策を決定いたしました。その中において、基本的には、地下水を汚染源に近づけない、汚染源を取り除く、そして汚染水を漏らさないという三つの基本方針のもと、国として、陸側の遮水壁の設置や高性能な多核種除去設備の整備などの対策を実施してまいります。
また、委員も今触れられたように、これは世界の英知を活用しながら、予防的かつ重層的な対策を講じていくことで、一日も早い汚染水問題の解決に向けて取り組んでいく考えであります。
福島第一原発における汚染水の影響を外洋に拡大させず、国民の健康を守っていくことが極めて重要であるというふうに考えております。
この観点から、汚染水の対応については、まず、地下水流入量抑制による汚染水の増加の防止、そして、汚染水処理施設の整備による汚染源の除去とタンクの増設による汚染水の管理といった手当てを講じることで、海への安易な放出は行わない方針であります。
笠井氏
『考えられているけれども、引き続き調べてやっていきたいという話は、わかり切っていないという話でしょう。つまり、この汚染水が今後どう動くかもわからないんですよ。
それだけじゃないですね。いろいろな場所から、さまざまな経路で、長期間にわたって大量の汚染水が海に出るおそれがある。だから、そういう可能性があるということについて、本部長である総理には、そういう危機的な状況、あるいは瀬戸際にあるという認識があるかどうかが問題になってくるわけですよ。
そういうときに、総理は国際舞台で何と言われたか。既にこの間も言われてきましたが、状況はコントロールされている、影響は完全にブロックされている、こう断言をされたわけです。ところが、本会議では、全体としてという言葉をつけられた、状況はコントロールされていると考えると。そして、完全にブロックされているという方は、完全にという言葉が取られた。
なぜ言いぶりが変わったんですか、総理。』
もちろん、基本的には同じであります。汚染水の影響はブロックされている、このように申し上げたわけでございまして、そして、いわば健康への被害という意味においても、これは完全にブロックされているわけでありますから、その考え方においては、これは変わっていないということでございます。
笠井氏
『今、基本的に同じとか言われました。健康への影響は完全にと言われたけれども、汚染水のことについてはブロックとしか言われない。
完全にという言葉がなくなったのは何でですか。』
完全にということを私は申し上げて、これはオリンピックの招致の際に申し上げているわけでありますから、これは完全にということで結構でありますが、いわば、我々は、この問題、汚染水の問題についてはしっかりとモニタリングを行っておりまして、このモニタリングの結果、全て基準値をはるかに下回る数値しか出ていないわけでありまして、そういう意味におきましては、汚染水の影響は完全にブロックされているということで申し上げているわけでございます。
笠井氏
『あの本会議では、そしてこの間は完全と言わないで、また完全に戻るわけですね。戻る。
総理は本会議では、個々の事象は発生していると。だから、完全にという言葉は言わなかったわけですよ。個々の事象と言われた。個々の事象が発生しているということであれば、そして完全という言葉を言わないのであれば、やはりあのときの言葉は間違っていたと率直に言われるべきじゃないですか。』
これは、いわば言葉についていろいろとおっしゃっていますが、今私が申し上げているのは、そういう意味においては、完全にブロックされているということであります。
笠井氏
『改めて完全にということは、もう大丈夫だという話を今されたわけですが、コントロールということについてよく言われます、全体としてと。
なぜ全体としてというふうになったんですか。』
ブエノスアイレスにおいて私が申し上げたのは、ザ・シチュエーション・イズ・アンダー・コントロールと申し上げまして、これは、私が責任者として状況を把握していて、それに対する対応をしっかりと行っているということであります。そして、個々としてのさまざまな事象がありますが、そうした対策も含めてしっかりと対応していくということであります。
さらに加えていけば、今申し上げましたように、今までさまざまなモニタリングを行いまして、近海においてモニタリングを行っていて、さらに、その数値において基準値をはるかに下回っているという状況において、私は、状況を含めて、これはコントロールしているということを申し上げているわけでございます。
笠井氏
『さっきの話もそうだ。結局は、個々の事象が起こっているということは認めざるを得なくなった。つまり、九月、国際舞台で言った後も次々相次ぐから。個々の事象は起こっていると今総理も言われました。まさに、それはコントロールと違うじゃないか。
つまり、コントロールというのは、個々の事象も含めて汚染水の動きが全て手のひらに乗っかっていて、そしてやられているということになってくるわけで、どう流れているかもわからずに、そして、わかっている部分も何度も漏れ出しているというのはコントロールと言わないんですよ。当たり前でしょう。福島県民も国民も、明らかにそういう事実と違うことを繰り返し言われたり、表現をかえたり、言われるから、怒っているわけです。
そこで、パネルにしてまいりました。福島県の浪江町の町議会が、九月議会において全会一致で採択をした意見書の部分であります。
表題は、「「非常事態」となっている福島第一原子力発電所の汚染水問題について国が全面的に責任を持ち政府直轄で解決することを求める意見書」というものでありまして、この中で、IOCでの総理の発言について、事実に反する重大な問題があると考えるということで、二点を挙げて、まず、そのうち一つ、こう言っております。「現実には地上タンクからは、大量の高濃度汚染水が漏れ、地下水を汚染し、湾内に流出し、汚染水が防波堤の開口から外海へ流出していることは誰の目にも明らかである。したがって「コントロール」「完全にブロック」などされていないということ。」であると。
総理は、この意見書の指摘をどう思われますか。
総理、総理の認識です。あなた、総理じゃないでしょう、さっきから。』
茂木国務大臣
『正確にお答えを申し上げます。
総理がブエノスアイレスで申し上げましたのは、ザ・シチュエーション・イズ・アンダー・コントロール。ザ・シチュエーションですから、それは状況なんです。状況のことをシチュエーションといいます。そして、イズ・ストップトじゃないんです。全体が停止しているんじゃなくて、アンダーコントロールなんです。制御をされているということが極めて重要なんです。
そして、汚染水につきましても、ブロックされている、一定のエリアにとどまっている。汚染水がないとは言っていないんです。ゼア・イズ・ノー・コンタミネーテッド・ウオーターなんということは一度も言っていないんですよ。汚染水はあるんですよ。そして、それをできるだけふやさないようにしていく。そして同時に、汚染源を取り除く。六十三核種のうち六十二核種まで取り除けば、これは危険度は減るわけでありますから、そういったことをしっかりとやっていきたい。
そのことにつきましては、国民の皆さんに対しても、さらには福島の皆さんについても、これからもしっかりと説明をしていきたい、このように思っております。』
笠井氏
『今の大臣のを聞いたって、国民の皆さんは誰も納得しないですよ。要するに、ごまかしですよ、やっているのは。
総理、総理の発言について、町議会全会一致で意見書を出してこう言っているんです。総理はこれをどう思われますかと、総理に聞いているんです。』
今、茂木大臣から答弁をいたしましたように、私がザ・シチュエーション・イズ・アンダー・コントロールと言ったのはそういう意味でありますし、先ほど私が答弁したように、状況についてしっかりと把握をしているし、さまざまな対策をやっているということでありますし、そして、ブロックされているというのは、健康への影響について、影響は完全にブロックされている、こういうふうに申し上げたわけでございまして、つまり、影響といえば、さまざまな基準値においてそれを超えるものが出たら、これは影響が出ているということになるわけでございます。
そこで、そういうさまざまな御意見もございますので、我々ももっとしっかりと説明していく必要がある、このように思うわけでございますが、同時に、先般お伺いをいたしました相馬市においては、その漁協の皆さんは、私の発言も含めて、しっかりとこれは風評被害を払拭してもらいたいということでありまして、彼らが試験的に操業している魚介類等には安全性において全く問題ないという結果が出ていますから、そのことはしっかりと、これはまさに内外に対して発信してもらいたいということであります。
そして、私がブエノスアイレスに行く前には、これはかなり報道等によって、あたかも大きな影響が人に既に出ているかのごとくの、そういう報道ぶりもあったのも事実でありますから、そういうものはしっかりと払拭をしていくことが大切だろう、こう考えたところでございます。
福島第一原発については、原子炉等の状態を継続的に監視しております。原子炉が安定的に冷却され、追加的な放射性物質の放出も大幅に抑制されていることが客観的データで確認されておりますが、他方、今なお厳しい避難生活を強いられている被災者の方々のことを思うと、これはまだ収束という言葉を使う状況ではない、こう考えております。
この汚染水問題については、先ほど申し上げましたように、東電任せにせず、国が前面に出て対応していくわけでございますが、このため、地下水等の専門家を集めた汚染水処理対策委員会における検討や、国際廃炉研究開発機構による専門家を集めた汚染水問題関連技術の公募を行うとともに、海洋モニタリングにおける国際原子力機関との協力、東京電力による社外専門家の招聘など、国内外の専門的知見を総結集して対応しております。また、汚染水対策の状況については、その都度公表しているわけでございます。
今後も、世界の英知を活用しつつ、汚染水問題の解決に向けた取り組みをしっかりと進めてまいります。
■歴史認識
(民主党 岡田 克也 氏との質疑中)
この質問については、累次お答えをしているとおりでありまして、安倍内閣として、侵略や植民地支配を否定したことは一度もないわけであります。
村山談話についても、これまで累次申し上げてきたとおり、我が国は、かつて、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えてきた、その認識においては、安倍内閣としても同じであり、これまでの歴代内閣の立場を引き継ぐ考えである、このように申し上げているわけであります。
と同時に、戦後、我が国は、先ほど委員も指摘をしておられましたが、その深刻な反省の上に立って、自由で、民主的で、基本的人権や法の支配をたっとぶ国づくりに戦後六十八年間邁進し、そして平和国家として歩んできたわけであるということは申し上げておきたいと思います。
今お答えをしたように、安倍内閣として、侵略や植民地支配を否定したことは一度もないわけでありまして、今申し上げましたように、我が国は、かつて、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えてきた、その認識においては、安倍内閣としても同じであり、これまでの歴代内閣の立場を引き継ぐ、こういうことであります。
いずれにせよ、隣国なんですから、我々は最も大切な隣国だと思っているわけでありまして、一つのことに問題があったからといって関係全てを閉ざしてしまうのは私は間違っているということは何回も申し上げてきたわけであります。日本としては、対話のドアはいつも開いているということでありまして、韓国側にも同様の対応をとっていただきたい、このように思う次第でございます。
■靖国
(日本維新の会 山田 宏 氏との質疑中)
国のために戦い、とうとい命を犠牲にされた方々に対して、英霊に対して、手を合わせ、尊崇の念を表し、御冥福をお祈りする、これは私は当然のことであろうと思うわけでありますし、リーダーとしてその気持ちをあらわす、これは当然の行為であろう、こう思うところであります。
その思いの中において、私は、第一次安倍政権の任期中に参拝できなかったことは痛恨のきわみであるというふうに申し上げたところであります。
同時に、この問題が外交問題、政治問題化しているのも現実でありますが、本来、外交問題、政治問題化させるべきではない、こう考えております。
いつ行くか、行かないかということについては、お話をすることは控えさせていただきたい、このように思いますが、今私が申し上げた気持ちは、今も全く変わっていないということでございます。
(私の感想)
原発について、特に安倍首相のIOC発言についての部分を長く引用しました。
通して読んでも何を言ってるのかよくわからない。。。
この認識で福島第一原発事故への対応をされていると思うと、恐ろしいです。
これは官邸前で2013年11月8日に紹介しました。
新規作成:2013/11/10
最終更新:2014/03/02